スポーツビジョンと視力矯正

スポーツビジョンで必要な視覚機能には

  1. トレーニングにより向上する視覚機能(運動機能)
  2. 向上しにくい視覚機能(感覚機能)

があります。トレーニングにより維持向上できない機能の代表的なものが静止視力です。静止視力の重要性はスポーツだけでなく、車の運転や人間が生活をする上で重要な機能の一つであり、メガネやコンタクトレンズを使用した矯正がポピュラーです。
視力矯正はスポーツ選手のみならず快適な日常生活を送るうえでも非常に大切で基本的なことです。

1.メガネによる矯正とスポーツアイガード

近視や遠視、乱視などの矯正が最も一般的な方法です。しかしスポーツ選手の場合、競技種目によってメガネ装用が可能か不可能かを考えなければなりません。身体の接触が多いコンタクトスポーツや動きが激しいスポーツにはメガネは不向きで、以前はメガネを装用している選手は野球でも敬遠される時代もありました。しかし、現在ではメガネを装用したままプレーする選手も多くなりました。
メガネはコンタクトレンズなどに比較して視野に制限があり、スポーツには不向きに思われますが、コントラスト感度を上げるための特殊なカラーレンズや偏光レンズを使用することにより視界をクリアに保ったり、ゴルフなどで芝目を見やすくすることも可能になるメリットもあります。
また、スポーツによってはケガから目を守るスポーツアイガード(スポーツ用ゴーグルで度なし・度付に対応)や通常のプラスチックレンズよりも割れにくいポリカーボネイトレンズを使用することなどをおすすめします。

2.コンタクトレンズによる矯正

コンタクトレンズはスポーツ選手にとって非常に便利な矯正手段です。以前のコンタクトレンズはハードレンズが主流で、プレー中にレンズが脱落したり、瞬きの際のレンズの動きが大きいため、瞬間を見極める必要のあるスポーツシーンでは適しません。最近ではディスポーザブルと呼ばれる使い捨てソフトコンタクトレンズが主流になり、スポーツ時のみのコンタクトレンズの装用が手軽にできるようになりました。しかし、コンタクトレンズも良い事ばかりではありません。直接眼内に装用するため、角膜にキズを付けたり、アレルギーを引き起こす可能性があります。医師の診断を受け、装用時間を守り、正しく管理された上でのレンズ装用が必要です。
また、コンタクトレンズを装用すると屋外のスポーツでは埃や風により、異物感や乾燥感が出ることもあります。そのために屋外でのスポーツでは風や埃をさえぎるためにサングラスの併用がおすすめです。

3.サングラスの効用

視力矯正とは異なりますが、屋外でのスポーツでは、眼に有害な紫外線からの保護の目的でサングラスを使用することも考えるべきです。
サングラスといえば、女子ゴルフの宮里藍選手が有名ですが、彼女は紫外線から眼を保護することはもちろん、天候によってレンズの色を変えることで、コントラスト感度を調整し、常にクリアな視界を確保していることも注目に値します。
現在では多くのメーカーがスポーツ用サングラスを製造しています。スポーツ用サングラスを選ぶときはデザイン、視野の広さ、レンズカラーなど様々な注意をする必要があります。キクチ店頭でご確認ください。

デザインについて

スポーツと使用目的に合わせ、小さなものよりは眼の周辺を広く覆うようなものが好ましいでしょう。軽く、フィット感が良いのはもちろんですが、かけ具合の調整などができるものが使いやすいでしょう。また、最近は顔に巻きつくようなレンズカーブの深いデザインのものが多く出ていますが、顔とレンズの間にある程度のクリアランスがないと汗などで曇ってしまうため注意が必要です。キクチ店頭でご確認ください。

レンズカラー

  • グレー系

    一般的に使用しやすいカラーです。無彩色であるグレーはレンズを通して見たものの色が変わらずにそのまま見えるため、モータースポーツなどに向いています。

  • ブラウン系

    非常に使いやすいカラーです。レンズを通してみるとやや赤みや黄みがかかって見えます。

  • グリーン系

    まぶしさを軽減するためには非常に良いカラーです。グレー系と同様に見たものの色が変化しません。

  • イエロー・オレンジ系

    晴天時のまぶしさ除けとしては不向きです。従来オレンジやイエローはコントラスト感度を高める効果があるため、曇りがちの天気や悪天時のウインタースポーツ、また目標物をより鮮明に見るためのシューティング競技に適しています。

特殊レンズ

  • 調光レンズ

    調光レンズは紫外線によりレンズカラーの濃度が変化するレンズです。屋外でのスポーツ(テニス)などに適しています。

  • ミラーレンズ

    レンズ表面のミラー加工により、外からの赤外線抑えるため体温(特に顔)の上昇を抑える効果があり、マラソンなどに適しています。またサイクリングやロードレースなどの際のウエットな路面からの照り返しによるグレアを防ぐのに非常に効果があります。

  • 偏光レンズ

    ある一定方向の光しか通さないレンズでポラロイドフィルターを用いたレンズです。水面のギラツキや雪面からの照り返しを防ぐ効果に優れています。

  • 特殊フィルター

    通常の染色によるカラーレンズとは異なり、まぶしさやぎらつきの原因になる短波長の青色光線の部分(400 〜 500ナノメーター)のみをカットするため、カラーレンズのカラー濃度が増すに連れコントラスト感度も減少するという欠点を補い、まぶしさを防ぎながらコントラスト感度を上げることができるレンズです。レンズカラーのチョイスにより、ゴルフなどで芝目を見やすくするなどの効果が期待できます。

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